新型コロナウイルスによる肺炎について
爆発的な勢いで患者数が増大している新型コロナウイルス肺炎。
症状は風邪やインフルエンザなどと大差なく、発熱や上気道症状が中心ですが、頭痛や嘔吐下痢などの消化器症状を呈する方もいるようです。
重症例では発症から1週間程度で呼吸困難となり、レントゲン検査で「すりガラス状陰影」が見られ、その後入院しICUでの集中治療となっているようです。
重症化の判断は呼吸困難がポイントのようです。このような症状の方は、早めにレントゲン検査や採血検査を受けてください。
現時点での海外の報告例に関しては、武漢市在住もしくは関連の強い方から検出されていることと、致死率が2%程度であること、死亡例は基礎疾患(糖尿病、喘息、COPDなど)がある方が多いことなどから、2005年に流行した致死率の高いSARSのようなリスクがあるかどうかは現時点では不明です。
現時点で死亡例は全て湖北省の方で、報告数が増えても致死率は2〜3%を前後しています。
新型コロナウイルス関連肺炎の疑い例の定義
以下のIおよびIIを満たす場合を「疑い例」とする。
I. 発熱(37.5度以上)かつ呼吸器症状を有している。
II. 発症から2週間以内に、以下の(ア)、(イ)、(ウ)の曝露歴のいずれかを満たす。
(ア) 新型コロナウイルスの患者(確定例)、またはその疑いがある患者と必要な感染予防策なしで2メートル以内での接触歴がある。
(イ) 武漢市への渡航歴がある。
(ウ)「武漢市への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状を有する人」との接触歴がある。
となっています。
現時点では対象者は限定的ですが、ヒトーヒト感染が疑われるため今後拡大の可能性はあり、より厳重な警戒が必要です。
予防対策としては、一般的な風邪の対策を十分にしていただくことが大切かと思います。人込みに行く場合にはマスクを着用し、帰宅時・飲食前には60秒以上の手洗いの励行(手の甲や手指の間も含めて)を行ってください。また、コロナウイルスは、消毒用アルコールは有効です。スプレー式やジェル刷り込み式のアルコールを活用してください。
また、ご心配な症状のある方はがまんして動き回らず、マスクなどの咳エチケットを守った上で、早めに医療機関を受診しレントゲン検査や血液検査などを速やかに受けてください。
院長